きばっど 育英館 あたりまえをひたむきに             H28.5.13

スタ-トから一月、「場を清め、時を守り、礼を正す」があたりまえになってきた日常、生徒たちの今を評価して、基準をあげることが大切です。建学の精神「勤労を愛す」には、額に汗してという説明か使われています。それは、ただ作業をしているのでなく、清掃をしているということだと思います。ひたむきに清掃するとはどういうことなのでしょうか。

仏陀の弟子で、一番頭が悪く、愚かだといわれた周利槃特(しゅりはんどく)という人の話をします。

他の弟子達からバカにされ、自分の名前すらときどき忘れてしまう愚かさにあきれた彼は、弟子をやめようと仏陀のもとを訪れます。「私はあまりに愚かなので、もうここにはいられません」その時、仏陀はこう言います。「自分を愚かだと知っている者は愚かではない」すっかり弟子をやめようと思っていた槃特は一瞬キョトンとします。そして、仏陀はこう続けます。「おまえの一番大好きなことはなんだね?」槃特は、「はい、私はそうじが好きです」と答えました。

「そうか、おまえは多くのことを憶えられないようだから、その大好きなそうじをしながら、このように唱えるがよい」「塵を払い、垢を除かん」(ちりをはらい、あかをのぞかん)「はい、それなら、私にもできそうです!」「そうか、ではがんばるのだよ・・・」仏陀にそういわれて、嬉しくなった槃特は、たまに忘れそうになりながらも、「塵を払わん、垢を除かん」と唱えながら、箒をもってそうじをしていきます。一年、二年、五年、十年、二十年と、ひたすらにやっていきます。その姿勢に、始めはバカにしていた他の弟子達も、次第に彼に一目を置くようになります。やがては、仏陀からいわれたことを、ただ黙々と、直向きに、淡々とやり続けるその姿に、槃特を心から尊敬するようになりました。そして、ついに槃特は、反省修行をおこなって、心の汚れや曇りを落とし、第一段階の悟りを得る「阿羅漢(アラカン)」の境地に到達します。

ある日、釈尊は、大衆を前にこう言いました。「悟りを開くということは、なにもたくさん覚えることでは決してない。たとえわずかなことでも、徹底して行うことが大切なのだ。」「見よ。周利槃特は箒で掃除することに徹底して、ついに悟りを開いたではないか!・・・」

今年の学園のテ-マ「貫き極めろ」は「ひたすら」「ひたむき」というイメ-ジがあります。生徒一人一人にも「何を貫き、何を極めろ」をぜひ聞いてみたいものです。

H28.5.9 全校朝会の話 「看板を背負う責任と誇り」

全校朝会の話     看板を背負う責任と誇り            H28.5.9

育英館の卒業生は何人くらいかなと、生徒会長の長崎さんに尋ねました。「う-んと、700人ぐらいかな」と彼女は答えました。さすがですね たぶん募集定員を思い浮かべて、創立から何年かと考えて、計算したのでしょう。

記録を見ると769人です。聞くとたったこれだけという感じがします。だからこそ、この学校の存在は貴重なのです。これだけが私が話した英才と呼ばれる人たちです。まさに貴重な人材です。

「看板を背負う責任と誇り」というのはどんな意味なのでしょうか?時代劇では、道場破りは「必ず、看板をもらっていく」と大声で口上します。看板はその道場の象徴であり、そこに集う人たちの心のよりどころなのです。とられてはならないものだと思い至ります。「育英館」という看板は絶対にとられてはならないものです。大事にしないといけない看板です。

では、だれにどんな責任を負う必要があるのでしょうか?私たち今育英館にいる者が今まで育英館に関わった人たちに対して責任があるのです。先輩たちは育英館の卒業生という誇りをもって世の中で活躍しています。活躍できる原動力は卒業生であるという誇りからです。もし、自分が卒業した学校がなくなったり、評判が悪くなったりするとどうでしょうか。心のより所がなくなり、やる気も出なくなります。

だからこそ、後輩には先輩に対する責任があります。皆さんはその制服を身につけ、ここで学ぶことで育英館の生徒として見られるし、評価されます。その基準を満たすべき、責任が求められる訳です。しかし、ここで学べることは、かつてのすばらしい先輩たちが学んだように今ここに自分もいるという誇りをもつこともできるのです。一人一人が育英館に学ぶ英才であるという誇りを胸に刻んでがんばってください。

わたしは、「英才は賢いと志がセットである」と話しました。かの有名なクラ-ク博士は「少年よ 大志をいだけ」と教え子に語りました。志のある者が伸びるということを彼は知っていました。そして、こう続けるのです。

Boys, be ambitious as me 少年よ、私のように大志を抱け。

Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement, not for that evanescent thing which men call fame.

Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be.
金や私欲のためではなく、名声などと呼ばれる空しいものでもなく。

人間として当然持つべきもののために大志を抱け。

ここに英才である皆さんの使命がのべられているように感じます。「人として当然もつべきもの」とは、「道義に徹し、実利を図り、勤労を愛す」ではないかと思います。建学の精神こそ、人として当然もつべきものなのです。私にはクラ-ク博士がどれだけ英才を育てたかったのかとしみじみと感じられてなりません。