きばっど     エ-デルワイスが好き          2019.8.8

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きばっど     エ-デルワイスが好き          2019.8.8

井谷桃先生が「修道女」として出演するオペラを見に行った。修道女から想像がつくだろうが、演目はサウンドオブミュ-ジックである。第2次世界大戦の足音が近づくオ-ストリアが舞台の有名な話だ。妻を亡くしたトラップ大佐は海軍のために留守することが多い。7人の子供たちはなかなか家庭教師になつこうとしない。やっと見つかった7人目の家庭教師は修道院では変わり者と呼ばれたマリアだった。歌が好きで明るく、修道院の生活より、野山をかけまわりたいという若い女性だ。彼女の指導に手をやいた修道院から追い出されるようにトラップ家にやってくる。彼女と子供たちは歌を通じて仲良くなり、歌がトラップ一家を変えていく。そのあとはご存知のとおりだ。

何回みても感動する。実にすばらしいオペラだ。もちろん主役のマリア、トラップ大佐はベテランで、歌声に引き込まれてしまう。子供たちもこの二人に負けないように魅力的だ。オ-デションで選ばれただけのことはある。とりわけ、舞台演出に感動した。バレエやオペラの見せ場は、豪華な背景も含まれるものだが、今回はそれがないのにあると感じさせる不思議な舞台装置だった。真ん中の小高い階段とその奥の階段が丘や家の階段、劇場の舞台となる。この階段で歌うと、サウンドオブミュ-ジックのテ-マ(?)をアルプス(?)を背景に歌うシ-ンになる。アルプスの山々がなぜか浮かんでくる。借景のような効果だ。トラップ家の子供たちが「ごきげんようさよなら」を歌う階段にもなる。歌が実にうまい。映画のシ-ンを見ているのか、いないのか、見なくても十分だ。純粋に楽しめる。ここまでうまいと歌唱力で見せて、聞かせているようだ。

「ドレミの歌」もこの階段をうまく使って歌う。どれもが映画と重なって聞こえるから不思議だ。ギタ-を弾くマリアを囲んで歌うドレミの歌の演出もよくできている。子供たち一人一人の魅力が引き出されている。終わりの頃に気づくのだが、トラップ一家合唱団が出演して消えていく劇場ははじめから準備されていた。この宝山ホ-ルこそが演出として準備された劇場であり、私たちも観客の一人としてこの作品に参加していたのだ。

この物語がここまで有名なのは映画に使われている曲の美しさである。とりわけ「エ-デルワイス」は実にうつくしい。この中に歌われる花、白く小さな清らかな花こそがオ-ストリアの象徴である。英語の歌詞は「私のふるさとがいつまでも変わらずにあってほしい」と結ぶ。これほど平和を歌う歌は他にない。若き担任のころ、学級歌としてエ-デルワイスを毎朝歌わせたし、「平和を考えるなら、この歌を聴き、この映画を見ればよい」とよく語った。難しいことはいらない。家族が離ればなれになることなく、力をあわせて毎日が生きられる。そんな幸せがふつうにある世の中であってほしいものだ。

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