きばっど       年末年始は映画を見よう        2020.1.15

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きばっど       年末年始は映画を見よう        2020.1.15

各家庭の恒例行事、いつのころからか私の家は「映画鑑賞」となっている。今年は年末に「おかえり寅さん」そして元旦は「STARWARS」という映画三昧となった。この二つの映画の共通点は昭和、平成と続き、令和で完結したことである。それにしても元気で最後まで見届けられたことは神様に感謝したい。

STARWARSのテ-マは、悪と善との戦いである。最後は善が勝つのだが、それにしても全9話の3部作は長かった。第1部は若きジュダイとなるアナキン・スカイウォ-カ-の成長の話、小学生の年格好の彼が空中を走行する乗り物(ポッド競争)で活躍する話からスタ-トし、りりしい青年になり、悪と戦い、共に戦うお姫様と恋をして結ばれて‥と物語は続く。母を殺した敵を憎む激しい怒りにより、師を裏切り、ダ-スベ-ダ-になってしまう結末には驚いた。第2部は帝国と戦う共和国の戦士たち、ル-クとハン・ソロ、レイア姫の物語、ル-クも姫も強いフォ-スの力をもつ。この二人が兄弟であることや父がダ-スベ-ダ-であることがわかるなど、2部もなかなか見応えがある。ジュダイとなったル-クがベ-ダ-を倒して、銀河に平和が訪れる。完結編となる第3部、主人公は壊れた宇宙船の部品を拾い、生計を立てている娘 レイ。帝国の生き残りはファ-ストオ-ダ-と名乗り、再び、銀河を支配しつつあった。暗黒面に身を投じたレンは、ファ-ストオ-ダ-の中心人物となり、容赦ない殺戮を繰り返す。彼はソロとレイア姫の息子であり、ジュダイとしてル-クが育てていた若者だった。ル-クは弟子の教育に失敗したことから身を隠して暮らしていた。レイはレイア姫の願いを受けて、ル-クを探す旅に出る。銀河が再び、悪の手に落ちようとしている。善と悪との最後の戦い、どのような結末になるのか。この後は映画を見て、感動を味わっていただきたい。

あらすじはこんな感じだが、全編にわたり人物の描き方が半端ではない。とりわけ、レンに魅力を感じてしまう。実の親を殺し、師を裏切りと暗黒面に落ちて救われない彼は、とうとう最高指導者までも殺してしまう。そして、自分が銀河の支配者になろうとする。そこまで彼を変えたのは何なのだろう。師であるル-クの心の迷いに始まる。彼が暗黒面に支配されたら、銀河の平和に大きな脅威となる。ジュダイであるル-クにはそれが予感されたのだ。レンを自分の手で始末するべきかと迷う。二人の誤解が悲しい結末を生む。ジュダイの教育を任されたのにまったくできなかったとル-クも悩む。オビワンとアナキン、ル-クとレンの関係はよく似ている。一人の師に一人の弟子でもこのようにうまくいかない。教えることの難しさを感じてしまう。マスタ-・ヨ-ダが最後まで、「若きスカイウォ-カ-」とル-クを呼ぶのは、「師が弟子を信じることの難しさ」を示唆しているような気がしてならない。STARWARSは師弟の物語でもある。

 

きばっど     年末年始は映画を見よう       2020.1.15

かたや、寅さんであるが、甥の満男君が主人公である。名優吉岡君の味のある演技が寅さんをスクリ-ンの真ん中へ引き出している。タイトルにある「寅さん50」は作品数であり、年数でもある。膨大な寅さんの登場シ-ンが回想場面として実にうまく入っている。山田監督のなせる技だ。

国際社会を舞台に活躍する及川泉(満男の初恋の人)は日本での仕事を終え、3日間の休暇をもらう。小説家になった満男のサイン会に現れた彼女を見て、時間が巻き戻されたかのように満男はときめく。二人でくるまやを訪ね、さくら夫婦と鍋を囲み、懐かしさに浸る。にぎやかな団らんにはいつも寅さんがいたことを思い出す。泉の休暇は、介護施設で暮らす父を見舞うことも目的であった。その見舞いに満男も同伴することになった。自分たちを捨てた父に母は冷たく当たるが、泉には何事もなかったようにやさしい。今後の父のことを語ると母と口論になり、親子げんかをしてしまう。そんな中で、二人の間を心配する満男の優しさが、あのころと変わっていないことに泉は救われる。日本を去る日に、満男が妻を亡くしたことを知り、今でも優しい満男に、泉は心が揺れる。自分の世界へもどらねばならない彼女は、昔の別れと同じように満男から抱きしめてもらう。そして、自分の本当の気持ちをキスにこめる。

この話を縦糸に寅さんがあちこちに出現する映画だった。横糸は寅さんの名言だらけである。「人生はよかったなあと思う何回かのために生きる価値があるんだよ。」「こまった時は、おじさんを呼べ。一番におまえの話を聞いてやるからな」 勝手に正直で、勝手にロマンチストで、満男の人生を今でも応援しているようだ。「平凡に生きる」の難しさ、優しくなればなるほど生きるのが難しい。でも、優しくしか生きられない人たちもいる。そんな人たちの方が多いはずだ。寅さんを見ていると、本当に日本人でよかったと思う。人や場所は変わっても、泣いたり笑ったりで今を精一杯生きている人が好きだという思いが伝わってくる。上手に生きられない満男君にも幸せがやってきそうな予感をもたせ、物語は終わる。寅さんは毎回の失恋で話をつないだが、満男君の幸せの予感で終わる。浅丘さん演じるリリィが妹のさくらにプロポ-ズされたと語る場面や幼い満男君との真剣なかけあいなどが挿入され、物語は輝きと彩りを増す。ゴクミの初々しい美しさとキャリアウ-マンとしての成長の対比もおもしろい。

正月になると寅さんに会えるという期待をもつ人が多かった。いつまでも優しく生きる寅さんに会える国であり続けたいものだ。トランクを抱えて震災後の跡地に立つ寅さんが懐かしい。令和となった日本のどこかで、寅さんは優しくも不器用に生きる人々の横に寄り添うように今日も立っているに違いない。

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